とり宇 濱野弘雄さん /
大手町商店街
まだ商店街もなかった昭和2年(1927年)、初代宇三郎さんが原の浮島地区の野鳥を仕入れ調理して提供したのが「とり宇」の始まり。
店主の濱野弘雄(ひろお)さんは3代目。
東京のうなぎ屋で3年間の修業後、沼津に戻り約60年、沼津駅前で創業以来代々受け継がれた味と製法を守りつつ、時代に合わせたメニュー開発にも積極的に取り組んできた。
調理場のスタッフみんなで開発したという、沼津特産のアジを使用した「緑葉(みどりは)あじ彩丼」は、目と舌で楽しませてくれる一品。
味はもちろんのこと、見た目でも楽しませてくれるのが「とり宇」の魅力の1つ。
「他のお店にはない、お客様を飽きさせないおもしろい料理を作ろう」
老舗だからこそ、枠にとらわれず、進化し続ける。
「みんなが辞めずに付いてきてくれて、従業員に恵まれている。長く勤めてくれた子が4代目の後継者に決まっているので、この場所で味を変えずに長く店を続けてくれたら」と、濱野さんは語る。
創業者の宇三郎さんと、2代目、3代目の濱野さん親子に血縁関係はない。
世間一般的には、家族や親族以外で難しいと言われている事業継承を、「とり宇」は4代に渡り円満に成功させていることにも注目したい。
「味と伝統を守り通す」という共通の想いを持っているからだろう。
沼津商業高校時代は弓道部に所属、3年生の時に団体戦の大将を務め、インターハイ準優勝の成績を残した。
これが最後の一投という大一番に凄まじい集中力を見せ、見事的中!会場から大きな拍手を受けた濱野さん。
現在は、休日に奥様と2人でウォーキングを楽しんでいる。
──お客様へひとこと──
クチコミで広がり、ファンになってくれるお客様もいます。
お食事を済ませて帰られるお客様の笑顔を見ると、おいしく食べてくれたのだと嬉しくなります。
特色のあるメニュー、料理の味を大事にしているお店です。